漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。
足冷と肺炎
四谷のMさん。一昨年の3月に、足が冷えるから、治療して欲しいと来院。70歳のがっちりした体格の男性で、冷え性タイプじゃありません。でも、顔は真っ白で、もちろん足もひや〜としていました。自分でお灸をするというので、踵の中央の「失眠」というツボを選びました。Mさんは、1月に風邪をひいて、悪化して肺炎になり、一ヶ月以上も入院していたそうです。温灸院院長が雑誌に書いた記事を読んで、退院してすぐに来院したそうです。
Mさんは、熱心に、「失眠」のお灸をつづけ、半年後には足冷が無くなり、風邪をひかず、もちろん肺炎にもならず、一冬を超えることができましたと、昨年の3月にやってきました。顔色に赤みが出てきて、調子良さそうです。
東洋医学は、魔法ではありません。丁寧に全身を観察して、病気の成り立ちを考えます。風邪を引いたから風邪ぐすり、肺炎になれば抗生物質、この治療方法はもちろん正しいと思います。しかし、東洋医学は、顕微鏡が無い時代に作られた医学で、医者の感覚をつかって、風邪の原因を探しだし、狂っている身体の部分を見つけ出して、治療する医学です。
めまいは、おおくは水分代謝の異常で起こります。お医者さんの目眩の薬はあまり効かなくて、水はけをよくする薬(利水薬)がとてもよく効きます。もちろん、水分の摂取も控えなければなりません。
風邪を引く人は、足が冷えている人が、結構多いようです。なので、症状は鼻水、咳など上半身に出ますが、治療は足を温めるととても効果がでます。
いつも喉が痛い人は、必ずといって足が冷えています。その冷えを直さない限り、のどに薬をぬっても治りません。
東洋医学は、魔法ではありません。丁寧に身体を観察して、狂っているところを、調整する医学です。調整するのに、鍼や灸を用いたり、漢方薬を使いますが、この道具が東洋医学ではなく、身体を丁寧に観察するところが東洋医学の最大の特徴です。