漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。
おなかが張る(鼓脹)
太鼓のようにお腹が張るのを鼓脹といいます。お腹がパンと張って、叩くとポンポンと音がするので、そう呼ばれています。急性のものでは、腸閉塞とか、腹膜炎、伝染病によるもので、急いで病院に行かねばなりません。慢性のものは、腸の血行障害や、ガスがでやすい食品を食べたときに起こりやすいようです。
いつもお腹が張っている、けれど病院に行くまでもない、と言う人は、軽度の鼓脹になっていると思います。たいてい、ガスが出やすい食品が犯人です。とはいっても、食品の中に有害なものが入っていれば、嘔吐したり下痢したりの反応がでますが、ガスが出やすい食品は身近にあって、当たり前に食べています。だから本人は気がつかないことが多く、いつもお腹が張っているのです。
食品だけが悪いのではなく、消化器のはたらきが悪いのも原因のひとつです。
つまり、胃や腸のはたらきがわるい、そこへガスが出やすいものを食べた、ガスが動かない、お腹が張って苦しい、というストーリーになります。治療は、胃腸の働きをよくして、ガスが出やすい食品を避ける、この2点に絞ることができます。
有名なのでは、さつま芋です。普通の人は、おならがでますから、苦しいことはないのでしょうけど、鼓脹の人はガスが移動しないので、すごく苦しくなります。時間がかかって移動して、おならが出て、ようやく楽になります。入浴してお腹を温めると、胃腸のはたらきが少し良くなって、ガスは少しは動くようです。繊維が多いからといって食べますが、お腹が張っている人は要注意です。
意外なものでは、納豆です。健康食品の王様ですけど、お腹が張りやすい人は要注意です。さらに、甘いお菓子も怪しいようです。ええっ、と思うでしょうけど、
以上、お腹がはる食品のベストスリーです。他にも沢山あって、個別に相性がわるい食品もあると思います。食べた物日記をつけると、何を食べたときに悪化しているか、すぐわかります。
こまるのは、優等生の食品であったり、好みの食品だったりすると、決別することができないことです。わかってはいるけど、つい手を出してしまう。
東洋医学には、胃腸を調える鍼灸・漢方がありますから、治療は可能ですけど、最終的には、本人が、つよい意志力・継続力を持っていないと治りにくい症状です。