漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。
階段の2段のぼり
紀元前168年ころに埋葬されたお墓から、「引書」という体操の本が出てきました。といっても1983年、中国のことですが。その「引書」から、当時の人は「身体をほどよく動かすことが健康の秘訣だ」と気がついていたことがわかります。この見方は、21世紀の私たちの思っていることと、全くおなじです。いかに医学が進歩したといっても、根本は変わっていないと、つくづく思います。
身体をほどよく動かすことが健康によいとわかっていても、時間が無い、お金が無い、続か無い、と大きな壁にぶつかります。だいたい、この3無いに、ちょっとの食べ過ぎが重なって、不健康になっている人が多いようです。
腹8分目もできない、ちょっとの運動もできない。さて、どうしましょうか。
聖路加病院の日野原重明先生は、1911年生まれの、現役医師です。衰えることなく、多方面に大活躍しています。それを支えているのが、独自の健康法だそうです。たくさんの著書でありますので、それを読んでいただくとして、その中で印象的なのは、エレベータやエスカレータは使わないで、すべて階段を登り降りするそうです。しかも、登りは、2段ずつだそうです。
試みに、1週間でもいいですから、階段の2段登りを試してください。意外に大変ですよ。
① 重力にさからう作業ですから、階段を降りるより、相当のエネルギを消費します。② 2段登りですと、足を大きく拡げなければなりません。それによって、ストレッチになっています。後ろ足を伸ばすため、股関節がよく伸びます。2段登りしていると、歩き方も変わってきます。(大股で、伸びやかに歩いている人は、股関節が伸びている人で、ちょこちょこ歩いている人は股関節が固く伸びない人です)
③ さらに、2段分、ぐいっと登りますから、1段よりは筋肉をよけいに使います。
④ 2段登りは、身体が不安定になりますので、安定させるために、1段よりは多くの筋肉を使います。多くの筋肉を使えば、消費エネルギが多いわけですから、ダイエットにも有効です。
これを要するに、2段のぼりは、運動量が多い、ストレッチになり、多くの筋肉を使います。いろいろな健康法がありますが、実行しやすさ、効果、継続性などからみて、2段のぼりがチャンピオンだと思います。
3無いで、悔やんでいる方、どうですか。明日から、始めてみませんか。