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■みやかわ温灸院 院長のブログ

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『無限の清風』

  鎌倉のお墓参りのついでに、建長寺、円覚寺に立ち寄ったときに、売店に、吉田正道住職の『無限の清風』を買った。住職のことも知らないし、ほんのこともしらないのだが、折角だからと買ったもの。

 しかし、読んでみると勉強になり、利益がありそうな本は利益がありそうだが、何となくかったものでも利益になるのだから、はじめに「利益ありそう」などと分けることは、自分の世界をどんどん狭くしているのだと気が付きました。

 『無限の清風』に、師匠の実家、故郷をたずねる、というのは感動的です。

 室町末期、中国の高僧の元に数多くの留学僧が海をわたって、臨済宗がいま在るのだが、別の坊さんの、高僧の寺跡をたずねるという文章(別の本)も、感動的でした。先輩たちは、この道を歩んだのか、この川の水を掬って飲んだのか、同じこの木を眺めたのか。なににも、かににも、心を寄せていた姿が、感動的でした。

 丸山先生の墓参のあとに、昔住んでいたという廃屋をたずねていましたが、他の人からみると、感動的なシーンだったのです。『無限の清風』からいろいろ学びました。

以て爾(なんじ)の隣里の郷党に与えんか

 仲間が急逝し、奥様が遺稿をあつめて詩集を作った。奥様から、ご希望者に贈呈します、と連絡があって、希望者はわずかだった。いろいろ理由があろう。

 昔は僕も、必要ないものとして断っていた。しかし、「論語」の次の文章を読んでから、なんでもいただくようになった。

 弟子の原思が町長になった。孔子は給料を「粟900」と決めた。原思は、そんなにたくさんの給料は要りません、と断った。孔子は、ならん、君が必要ないなら、村の人に分けてあげればよいではないか。

「原思、之が宰と為る。之に粟九百を与う。辞す。子曰く、無かれ。以て爾の隣里の郷党に与えんか」

 原思は、無欲ぶっているが、自分のものにしようと思っていたから多すぎるといったので、私有の欲はあったのである。さすが、孔子先生。私有しないで、みんなにあげればいいんだよと。孔子先生のは、仏教でいう柔軟心(にゅうなんしん)と言うのでしょう。

 この文章をよんでから、飲まないお酒をもらっても、ありがたくいただくことにしているし、嫌いなものでももらうことにしている。持ち帰って、欲しい人にあげればよいので。



もっこうばら 咲く

  今年も、木香薔薇が咲きました。

 世の中、コロナ、ワクチン、なんやかんやとうるさい中、いつもどおりに、微香をただよわせて、開花しました。しばらく爽やかな風がふきます。

 テレビをみれば、暗雲わきあがり。窓下をみれば、雲は吹き消され、蒼天をみるがごとし。

 写真では、微香ただよわぬのが、難。

 


藤平健2

 『百味箪笥』を読むと、『傷寒論』は完璧な医書、とある。

「傷寒論は、まさに類型診断学の極致というべきものであって」と。

「すでに用済みの古代の書」というような人は、つまみ食いしているのである。

 魂を込めてよまない限り、その本質がわからないのである。だから、江戸時代の先生方は、熱心に読んだ。単なる文献ではないから、つまみ食いは無益である。

 中西深斎(1725〜1803)は、38歳で吉益東洞の門下になり、『傷寒論』の重要性に覚醒し、医院を閉鎖して『傷寒論』研究に没頭した。30年かけて、『傷寒論弁正』をあらわした。一生を賭した『傷寒論弁正』の崇高さには、だれも近づけはしない。

 一生を賭けて『内経』を読む。残りの人生は、そうありたい。

 

 

 

 

藤平健

 藤平健『百味箪笥』(緑書房)が、書架にあったので、読む。というか、漢方家の随筆なので、敬遠していたのです。差別していたことを反省。

 眼科医なのだが、漢方も使い、手術もやり、注射もするという。それは「現代医学と漢方との、いずれを用いた方が、この患者の病気を、より早く、より根治的に、そして安価に治すことができるか」という三原則を踏んでいるからだという。漢方ごりごりではない先生なのです。

 丸山昌朗先生は、医師なのだが、鍼と灸しかやらなかった、と聞いて、カッコいいなとおもっていたけど、藤平先生もカッコいいなと思う。現在の自分の心境では、藤平先生に近い。

 現在、丹塾古典部で、能美友庵『六診提要』を読んでいるが、これまたすごい。多くの先生方は、治療の証を決めるために診るのだが、能美先生は病気を診ているのです。鍼灸師は、すぐ鍼を刺したがるけど、大いに反省せねばならない。

 これからは、病気をよく診て、「より早く、より根治的に、そして安価に治す」ために、どの治療が良いのか考えながら、治療したい。なんでもかんでも、自分の領域にひきずりこむのは、保身の極みで、恥ずべきことです。良著をよんで、身あらたまる。


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