漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。
呼吸が浅い
運動不足というと、筋肉の問題だと思いがちですが、じつは呼吸の問題でもあります。運動すれば、大量の酸素が必要となり、はげしく深く呼吸します。そうでなければ、靜かで浅い呼吸で十分です。しかし、浅い呼吸がながくつづくと、いざというときに深い呼吸ができなくて、間に合わなくなります。なんだか疲れやすいという人の中に、呼吸の浅い人が結構います。呼吸が浅いひとは、先天的ですと胸板が薄いのですけど、そうじゃなかったら、大抵は、心窩部(みずおち)付近のモタレが原因で、横隔膜の上下の動きが悪いからです。
① 見つけ方:心窩部を指3本(人差し指、中指、薬指)をそろえて、指頭で叩いてみてください。痛かったり、気持ち悪かったら、ソレです。
② 症状:頭が痛い、頭がおもい、めまい、はきけ、食欲がない、睡眠不足、熟睡しない、というような症状がでてきます。
③ 対策:運動をするか、呼吸の訓練をします。呼吸の訓練とは、細く長く吐くことの訓練です。少なくとも20秒に1呼吸、できれば30秒に1呼吸してほしいところです。細く長く吐くには、「ナンマイダブ」と何度もとなえるのが簡単です。1回2秒ですから、10回〜15回唱えれば、とても良い呼吸の訓練になります。声をださなくても、つぶやいても結構です。浄土宗を開いた法然が、ナンマイダブと唱えると極楽浄土に行けるといったのは、まんざら嘘じゃないようです。なにしろ、深い呼吸をしていると、精神が落ち着いてきてイライラしなくなり、不安がなくなります。深い呼吸をするには心窩部がモタレてはいけませんから、食べ過ぎがなくなります。こんなうまい話が、意外に身近にあるのです。ハリキュウ治療に来ていただいた人には、ディスポ鍼の保存用の管をあげています。これが実に優れもので、内径が細いので、細く吐くには最適のアイテムです。細いストローでもいいですよ。
健康に生きるのに、小難しい技法や、理屈は、不必要なのです。ようするに、実行力です。