漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。
毎日の生活が運動ですよ
体調不良=運動不足とは、誰しも思うところです。そして、身体を動かす=スポーツという結論になります。スポーツをしていないことの負い目が、体調不良=運動不足という枠組みから出られなくなってしまいます。動物を観察してみても、スポーツをしている動物はいません。必要があって、つまり餌をとるために、走ったり、遠出することはありますが、普段は、実にだらけてます。ネコをみてください。ネズミもとらず、一日中寝ています。それでいて、病気にもならず、結構長生きしています。運動する必要はありませんよ。
運動をしなければならないのは、摂取エネルギーが過剰、つまり食べ過ぎの人です。必要十分な量を摂取している人は、あえて運動する必要はありません。毎日の、生活の中の、動きだけで、十分です。
それから、若い人です。身体を成長させるために、一定程度の運動が必要です。動いた分だけ成長します。成長が20歳で止まるとして、20歳までにため込んだ資産が、後の50〜60年分の基金になりますので、手を抜くわけにはいきません。
気晴らしという意味では、運動はとてもよい薬です。気持ちが鬱屈するのは、頭だったり、胸だったり、そこに血の気が集中しているからで、手足にそれを分散すればいいわけです。
カラオケも運動です。発声するには、たくさんの筋肉を使っています。特に、横隔膜は、大きな筋肉ですから、効果絶大です。
スポーツというと、早く、強く、身体を動かしますが、東洋の古来の運動は静かに動かします。太極拳がよい例です。スクワットは、いまはやりの運動ですが、普通は弾みをつけて行いますが、しゃがむのに20秒、立ち上がるのに20秒かけて、ゆっくり行うと、相当な運動になります。3〜5回でも、翌日筋肉痛になりますよ。これなら、5分もあれば、十分な運動になります。
要は、工夫しだいということです。通勤も立派な運動ですから、それにつま先立ちをくわえたり、階段登りをくわえたりすれば、十分ではないでしょうか。家事では、積極的に無駄な動きをして、無駄に階段の上り下りをし、歌を歌い、エネルギーをどんどん消費しましょう。
つまり、激しく動かなくとも、十分な運動です。毎日の生活が運動だと思えば、運動不足ということはありえません。毎日の生活を積極的に活用し、食べ過ぎを抑えればよいだけです。とても簡単な理屈ではないでしょうか。
子供でもわかる理屈が真実だ、と新聞で読みましたけど、いろいろな宣伝文句にだまされないようにしてください。