みやかわ漢方薬局は、とくに女性のための漢方をめざしてしています。診察室併設。女性スタッフ対応。東川口駅徒歩2分

漢方薬局・温灸院のみやかわ漢方堂

漢方薬や鍼灸治療に関する豆知識を中心に、皆様のお役に立つてるような
話題をコラムにてお伝えしていきたいと思っております。

風 邪

風邪が流行っているようです。まだ厳寒とはいえないのにです。昔の人がみたら、「現代人はよわいなあ」と嘆くでしょうね。こんなに恵まれている生活をしているのに、なぜ風邪を引くのでしょうか。ちょっと考えてみたいと思います。

風邪は、普通感冒と流行性感冒(インフルエンザ)に分けられます。

普通感冒は呼び込んだ風邪ですから、体調管理さえきちんとしておけば、風邪を引かないですみます。

流行性感冒は、襲ってきた風邪で、ウイルスの力が強いので、体調管理ができていても襲われることがあります。

普通感冒、これを普通に「風邪を引く」といいますが、何を引いた(呼び込んだ)かというと「風と寒」です。体調がベストであれば、多少の「風・寒」でもはね返すことができるのですが、睡眠不足、飲み過ぎ、食べ過ぎ、働き過ぎなどで、どこかに不調(乱れ)があると(これを東洋医学では「虚」と言いますが)、そこを「風・寒」がつけ込み、進入します。普通感冒の予防は簡単で、規則正しい生活と、適度な食事、十分な休養、これを実行すればいいわけです。

風邪を引けば休めばいいのですが、できれば引かないほうが良いでしょう。個人的な体験ですが、中学2年の時に風邪で休んだことがあります。その日は、理科の時間で元素記号を教えたらしく、スタートダッシュでつまずいて、元素記号を学び損ね、それ以来、化学が苦手になりました。数学では、不等号を教えたらしいのですが、それも苦手になってしまいました。たった1日というけれど、将来への影響は大きいものだと思いました。たぶん、何日も休んだら、相当な遅れになるんだと思います。

現代のわたしたちの生活は、食べ物が十分にあり、暖房もあり、暖かな衣服もあって、これだけ恵まれているのに、風邪を引く人が多いのは、なぜなのでしょうか。  一番重要なのは、「早寝早起き」です。電灯がない時代は、太陽と生活をともにしていましたから、太陽がのぼれば起き出し、しずめば床につく、という生活でした。この生活を有史以来つづけてきましたので、私たちの遺伝子に刷り込まれていてますから、早寝早起きは根本です。なのに、私たちの生活はそれを大いに乱していますから、十分に栄養をとっても、つじつま合わせに休養をとっても、風邪を引くわけです。

それから、起きている時間に興奮しすぎていることも気になります。日中の、電灯、騒音、汚れた空気、テレビ、ゲームなど、今まで人類が体験したことのない刺激です。が、私たちの生活の中にはみちみちてます。これらが「ストレス」になって身体をむしばんでいるようです。このストレスをリセットするのが睡眠ですから、十分な睡眠が必要になってきます。起きている間じゅう目や耳を刺激しているにもかかわらず睡眠時間が足りなければ、身体のどこかに歪み(虚)が発生し、「風と寒」を呼び込んで、風邪を引くわけです。  その次に大切なのが栄養、休養ですが、重要度からいえば、大したことありません。きちんと寝る、日中は目や耳を使いすぎない、使ったら休ませる、こういう基本がないがしろにしてはなりません。

インフルエンザウイルスの力はとても強いので、細心の注意を払って体調管理しておかねば、少しの虚があっても襲われると思います。しかし、それでも、個人の身体がベストであれば、インフルエンザウイルスといえども、犯すことはできないでしょう。入試を控えた受験生がインフルエンザに犯されるのは、ひとえに、睡眠時間を削っているからだと思います。

風邪は万病の元といわれますが、病気をとるか、仕事をとるか、勉強をとるか、みなさんの自由です。自由というのは、「自ら由るなり」であり、自分自身の責任において、自分の道筋を決めるということです。よく考えてみてください。

ページ先頭へ▲