鶯谷書院

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江戸後期Ⅰ収録

『鍼灸則』

メモ

著者:菅沼周圭(1706~1764)
成立:明和4年(1767)刊
所蔵:京大富士川文庫(シ/516)ほか

参考

 菅沼周圭は古方派に属し、陰陽五行説を否定し、毫鍼、刺絡、お灸を組み合わせて治療し、禁鍼穴、禁灸穴、人神などの迷信、いずれもしりぞけた。

 巻末の付録に「一、補瀉迎随者、鍼家之所重也。雖多論説、刺而駆賊邪、去癥癖、則瀉也。駆去邪気、正気回復、即補也。必竟補瀉迎随者、在手指、而別無余義。」とあり、邪気を駆除し(写法)、駆除することによって気が快復する(補法)という。この考え方が、重要なのです。

 毫鍼、鋒鍼、円利鍼、施灸を駆使するのだが、目標は「邪気を駆除」することである。万病一毒説といえるかもしれない。

詳しいことは、下の論文を参考にしてください。
・藤本蓮風の解題(『鍼灸医学典籍大系』出版科学総合研究所、1978)
・丸山敏秋『鍼灸古典入門』(思文閣出版、1987)
・若林研二「『鍼灸則』の病門について」(『日本医史学雑誌』61巻1号、2015)

目次

前編
 七十穴の位置・主治
後編(病門解説および配穴)
 中風
 預防中風
 傷寒(附陰証)
 内傷
 中寒
 中暑
 霍乱
 転筋
 湿症
 痰飲
 瘧
 泄瀉
 咳嗽
 痢病
 嘔吐
 痿躄
 頭痛
 胃脘痛
 腹痛
 腰痛
 欝症
 諸気(附気虚・気實・気滞・気寒)
 諸血(附欬血・喀血・吐血・衂血・便血・溺血)
 咳逆
 悪心
 翻胃
 傷食
 眩暈
 大便閉
 喘急
 便濁
 小便閉
 黄疸
 黄腫
 呑酸(附吐酸)
 股痛
 脊痛
 脇痛
 疝気
 勞極
 口舌(附口舌生瘡・口舌及咽腫痛)
 歯痛(附断痛・歯齲)
 眼目(附風眼腫痛・目赤渋痛・肝経上壅・萑目・眼眶腫痛)
 咽喉(附喉痺)
 鼻病(附酒齄・清涕)
 痔漏
 耳病(附聤耳・膿耳・左右耳鳴腫痛)
 𩞄雜
 噯気
 水腫
 皷脹
 積聚(附五積)
 痞満
 健忘(附驚悸・怔忡)
 淋病
 脚気
 痛風
 関格
 臂痛
 肩痛
 足痛
 手痛
 麻木(附渾身麻木・手麻木・足麻木)
 自汗
 盗汗
 癇症
 癲狂
 邪崇
 脱肛
 諸蟲
 遺溺
 腋気
 消渇
 癰疸
 折傷(附跌撲)
 婦人(経閉・月経常過期・経水過期紫黒有塊作痛・経水未行臨経将来作痛・経水行後而作痛・経水欲行臍絞痛・胞衣不下・横産・逆産・懐妊・産後腹痛・血産・乳腫痛・血塊・帯下)
 小児(急驚・慢驚・疳疾・癖疾・丹毒・吐瀉・腹脹・腹痛・夜啼・重舌・痘瘡)
附録

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