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江戸教科書シリーズ収録

『鍼灸要歌集』

メモ

安井昌玄編
5巻5冊
京都大学医学図書館富士川文庫蔵(シ537)
序は元禄6年(1693)
奥付は元禄8年(1695)
「臨床鍼灸古典全書」(第十四巻)所収
京都大学貴重資料デジタルアーカイブで画像公開あり(全171コマ)

 著者については、序文に「時元禄癸酉之夏長至日、把筆於南紀僑居、安井昌玄編集」とあり、和歌山県(南紀)の仮住まい(僑居)で筆をとったとあるぐらいで、ほかは分かっていない。『日本医譜』には収載されていない。
 ちなみに、巻1に「そもそも予が刺す処の鍼は、本邦鍼家の祖、無分の末流也」とある「予」は安井ではなく、引用元の「刺鍼要致」に登場する鍼立(はり師)のことである。

参考

 書名の「要歌集」の「要」は、要点(概論)のことで、「歌」は巻2以降の各経穴の31文字の覚え歌のことである。

  巻2「百会」を例にとれば、

脳重く、頭痛目眩や、胸さわぎ、脱肛出ば、百会成けり
頭風中風、言語渋りて、口噤、半身なへば、百会成けり
健忘し、前後をわすれ、痎瘧や、心力なくは、百会成けり
風癇かき、そりかへりては、沫を吐、百病ともに、百会成けり
百会には、頭頂の皮の、うすきゆへ、七壯上は、灸をすへざれ
百会とは、両方のまゆの、正中を、直に上へ、八寸にあり

巻4・5は病症ならびに治法で、「頭痛」を例にすれば、
十三、頭痛論并に治法
頭を痛まするものは一邪也。風雨の時節発を頭風と云。時ならず痛むを頭痛と云。厳用和が曰虚して風寒にをかされ、湿陽経につたへて邪かくれ居てなづきにのぼり、痛むを厥頭痛と云。頭のまん中のとをり、底に通じて甚だいたむを真頭痛と云。これは朝に発て夕べに死す。夕に発て朝に死す。頭重く鼻ふさがりて頭痛するには、百会に鍼を刺べき也。目眩頭のかわはれ頭痛するには、前頂に鍼をさすべし。うなじ引つり頭痛して、悪寒するには、後頂に鍼さすべし。
風府、風池、合谷、攅竹に鍼すべし

目次

鍼灸要歌集序(安井昌玄)
凡例
鍼灸要歌集巻之一秘伝部目録
鍼灸要歌集巻之一秘伝部
 一 天池人男女鍼之法
 二 神聖工巧四知之論
 三 面之色ヲ見テ知五蔵之病事
 四 五声ヲ聞テ五蔵知病事
 五 五味聞五蔵知病事
 六 脈ノ法
 七 六脈之法
 八 祖脈之法
 九 医者心得之事
 十 腹之見様之事
 十一 廾五ノ見脈ニテ生死ヲ知事
 十二 針ニ太極有事
 十三 五臓色体
 十四 針灸慎之事
 十五 四季人神歌
 十六 毎日人神
 十七 十二時人神歌
 十八 血忌日歌
 十九 長病日
 二十 毎月療治吉日歌
 二十一 針灸禁ノ時分
 二十二 四季病ヲ察スル事
 二十三 髮際ヲ定法
 二十四 大椎ヲ定ル法
 二十五 尺寸ヲ定ル法
 二十六 手指之図
 二十七 鍼五蔵ニ中テ死スル事
 二十八 他所之皮ヲ引テ其穴ニ中ル事
 二十九 針刺テ筋引ツル事
 三十 針入テ不抜事
 三十一 折鍼抜様
 三十二 艾火之法
 三十三 灸火之法
 三十四 阿是之穴之事
 三十五 撚リ鍼手法
 三十六 打鍼之手法
 三十七 管鍼之手法
 三十八 砭鍼之事
 三十九 補瀉迎隨之事

鍼灸要歌集巻之二経絡図説目録
 一 経穴総図
    前面頚穴総図
    胸腹総図
    後図項穴総図
    背部総図
    陰手総図
    陽手総図
    陰足総図
    陽足総図

鍼灸要歌集巻之二経絡図説
 二 面部之部
  百会
  前頂
  顖会
  上星
  神庭
  攅竹
  聴会
  水溝
  承漿
  後頂
  強間
  風府
  頬車
  耳門
  風池
 三 心腹之部
  雲門
  中府
  天突
  璇璣
  ママ花蓋
  膻中
  鳩尾
  巨閾
  上脘
  中脘
  建里
  下脘
  水分
  神闕
  陰交
  気海
  石門
  関元
  中極
  曲骨
  幽門
  通谷
  陰都
  石関
  商曲
  肓兪
  中注
  四満
  気穴
  大赫
  乳根
  不容
  承満
  粱門
  関門
  太乙
  滑肉門
  天枢
  外陵
  大巨
  水道
  帰来
  期門
  腹哀
  章門
  腹結
 四 肘手之部
  商陽
  二間
  三間
  合谷
  前谷
  液門
  中渚
  陽谷
  魚際
  大陵
  神門
  ママ大淵
  列缺
  支溝
  温溜
  三里
  尺沢
  曲池

鍼灸要歌集巻之三目録
鍼灸要歌集巻之三
 一 肩背之部
  肩井
  肩隅
  大椎
  陶道
  神道
  霊台
  至陽
  筋縮
  脊中
  懸枢
  命門
  陽関
  腰兪
  長強
  大杼
  風門
  肺兪
  心兪
  膈兪
  肝兪
  胆兪
  脾兪
  胃兪
  三焦兪
  京門
  腎兪
  大腸兪
  小腸兪
  膀胱兪
  膏肓兪
  神堂
  譩譆
  志室
 二 股脚之部
  委中
  陽陵泉
  三里
  承山
  三陰交
  復溜
  絶骨
  大谿
  公孫
  太白
  太都
  然谷
  太冲
  行間
  大敦
  解谿
  崑崙
  金門
  衝陽
  臨泣
  夾谿
  商丘
  厲兌
  湧泉
  風市
 三 腰眼秘伝灸法
 四 患門秘伝灸法
 五 四花秘伝灸法

鍼灸要歌集巻之四病論方附目録
鍼灸要歌集巻之四病論方附
 一 中風論并二治法
 二 中湿之論并二治法
 三 中寒之論并二治法
 四 中諸之論并二治法
 五 内傷之論并二治法
 六 傷寒論并二治法
 七 腹痛論并二治法
 八 腰痛論并二治法
 九 心痛論并二治法
 十 脇通論并二治法
 十一 気ノ論并二治法
 十二 疝気論并二治法
 十三 頭痛論并二治法
 十四 欝証論并二治法
 十五 霍乱論并二治法
 十六 宿食論并二食傷治法
 十七 積聚ノ論并二治法
 十八 泄瀉之論并井二治法
 十九 瘧之論并二治法
 二十 痢病論并二治法
 廾一 労瘵論并二治法
 廾二 虚損論并二治法
 廾三 健忘論并二治法
 廾四 遺精之論并二治法
 廾五 中悪之論并二治法
 廾六 眩暈之論并二治法
 廾七 痃癖論并二治法
 廾八 眼目之論并二治法
 廾九 鼻病之論并二治法
 三十 耳病之論并二治法
 卅一 唇口之論并二治法
 卅二 牙歯之論并二治法
 卅三 咽喉之論并二治法
 卅四 淋病之論并二治法
 卅五 手指之論并二治法
 卅六 秘結之論并二治法
 卅七 痔漏之論并二治法
 卅八 脱肛之論并二治法
 卅九 消渇之論并二治法
 四十 脚気之論并二治法
 四十一 痺之論
 四十二 痿之論井二治法
 四十三 諸蟲之論井二治法
 四十四 脹満之論井二治法
 四十五 水腫之論井二治法
 四十六 汗之論井二治法
 四十七 痰飲之論并二治法
 四十八 咳嗽之論并二治法
 四十九 喘急之論并二治法
 五十 嘔吐噎膈翻胃之論并二治法
 五十一 黄疸之論并二治法
 五十二 諸熱之論并二治法
 五十三 癲癇之論并二治法
 五十四 吐血之論并二治法
 五十五 下血之論并二治法
 五十六 堕墜之論并二治法
 五十七 折傷論并二治法
 五十八 中毒之論并二治法
 五十九 頓死之論并二治法
 六十 諸ノ気付之論并二治法
 六十一 溺濁之論并二治法
 六十二 遺濁之論并二治法
 六十三 溺水論并二治法
 六十四 咳逆払柵并二治法
 六十五 小便閉論并二治法
 六十六 二便閉論并二治法

鍼灸要歌集巻之五小児之部・婦人之部目録
鍼灸要歌集小児論巻五
 一 虎口之紋ニテ疾之安危ヲ知事
 二 手指虎口紋之図
 三 新生禁
 四 五疳之論并二治法
 五 癲癇論治法
 六 急慢驚風論治法
 七 臍風撮口論治法
 八 癖疾論治法
 九 食傷之論治法
 十 腹脹之論治法
 十一 夜啼之論治法
 十二 重舌木舌弄舌
 十三 吐乳之論法
 十四 乳不呑論治法
 十五 顖門不合
 十六 言遅論治法
 十七 行遅髪遅
 十八 亀背論治法
 十九 亀胸論治法
 二十 口瘡鷲口
 廾一 穀道無孔
 廾二 小便不通
 廾三 大便不通
 廾四 夏痩
 廾五 小児灸法要穴
婦人
 一 赤白帯下論并二治法
 二 経脈不調論并二治法
 三 血崩之論并二治法
 四 血塊之論并二治法
 五 乳岩乳癰之論并二治法
 六 求子之論并二治法
 七 悪阻之論
 八 妊婦頓二癰朴并二治法
 九 胎動之論
 十 孕子煩之論
 十一 小産之論并二治法
 十二 胞衣不下
 十三 難産之論并ニ治法
 十四 血暈之論
 十五 悪露滞
 十六 産後児枕痛并二治法
 十七 乳汁不出之論并二治法
 十八 胎落易守之法
 十九 血之道之論并二治法
 二十 吹奶之治法
 廾一 断産法

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